学ぶ · 不正利用検知とセキュリティ
カードスキミングの仕組み:不正読み取り装置の見分け方と対策
ATMやガソリンスタンドで磁気ストライプを不正コピーする手口、EMVチップによる防御、スキミング被害時の対処法を解説します。
ガソリンスタンドや街頭のATMでカードを利用した数週間後、見知らぬ場所で高額決済が発生する。手元にカードがあるにもかかわらずデータが不正利用される「スキミング」の手口です。
スキミングは実店舗や端末における代表的なカード犯罪です。本ガイドではスキマーの仕組み、仕掛けられやすい場所、防止策を解説します。
スキマー(不正読み取り装置)の構造と手口
スキマーとは、ATMや決済端末の正規のカード挿入口の上に偽装して取り付けられ、挿入されたカードの磁気ストライプ情報を盗み取る小型装置です。
磁気ストライプにはカード番号、有効期限、名義人氏名が暗号化されずに記録されています。
暗証番号(PIN)を同時に盗むため、本物のキーパッドの上に偽のキーパッドを重ねたり、手元を映す超小型カメラを設置する手口が一般的です。
スキマーが仕掛けられやすい危険スポット
夜間の監視員が不在になりやすいセルフ式ガソリンスタンドの給油機が最も標的になりやすい場所です。
コンビニ、駅構内、人通りの少ない路地に設置された独立型ATMも高いリスクがあります。
パーキングメーターや交通機関の券売機でも不正装置が発見されるケースがあります。
決済時に被害に気づけない理由
最新のスキマーは端末本来のプラスチック素材、色、ロゴマークを忠実に模倣して作られており、カードも正常に挿入・返却されます。
犯人はその場で悪用せず、Bluetooth等で遠隔からデータを回収し、数週間後に偽造カードを作成して利用します。
スキミング被害が疑われる場合の初動対応
- 銀行アプリからカードを即座に一時停止する 不正な決済を未然に防ぐため、アプリで利用をロックします。
- カード会社の不正対策デスクへ通報する スキミングの疑いを伝え、番号を変更した新しいカードの再発行を依頼します。
- 過去数か月分の明細を厳重に確認する 少額の不審なテスト決済を含め、すべての不正請求を洗い出します。
- EMVチップ決済やタッチ決済(NFC)を利用する EMVチップやスマホのタッチ決済は動的な暗号コードを使用するためスキミングできません。
EMVチップもスキミングされますか?
いいえ。EMVチップは決済ごとに使い捨ての暗号コードを生成するため複製不可能です。スキマーは磁気ストライプのみを読み取ります。
スキマーを目視で見分ける方法はありますか?
挿入口やテンキーを軽く揺らしてみてください。パーツがぐらついたり不自然に出っ張っている場合は利用を中止してください。
スキミング被害の損害は誰が負担しますか?
速やかにカード会社へ通報すれば、利用者に重大な過失がない限り全額補償(自己負担0ドル)されます。
情報盗難に対する法的な責任限度額
クレジットカード(FCBA)の場合、物理的なカードを手元に保持した状態でのデータ不正利用は利用者の責任限度額は0ドルです。
デビットカード(連邦規則E)でも、明細発行から60日以内に通報すれば被害額全額の補償を受けることができます。
検証ソース
- Federal Trade Commission — Watch out for card skimming at the gas pump https://consumer.ftc.gov/consumer-alerts/2018/08/watch-out-card-skimming-gas-pump
- FDIC — Beware of ATM, debit and credit card “skimming” schemes https://www.fdic.gov/consumer-resource-center/beware-atm-debit-and-credit-card-skimming-schemes
- Federal Trade Commission — Lost or stolen credit, ATM, and debit cards https://consumer.ftc.gov/articles/lost-or-stolen-credit-atm-and-debit-cards